エンジニアという職業に興味があるけれど、具体的にどんな仕事をするのか分からない方は多いのではないでしょうか。
特に「プログラマー」との違いが曖昧で悩んでいる方もいるでしょう。
この章では、エンジニアの基本的な定義や役割から、ITエンジニアの実際の仕事内容まで詳しく解説します。
エンジニアに興味がある方はもちろん、エンジニアへの転職を考えている方や、エンジニアと仕事で関わる機会がある方にとって役立つ情報が満載です。
これを読めば、「エンジニアって何する人?」と聞かれたときに自信を持って答えられるようになりますよ。
💡この章のポイント
- システムエンジニアとプログラマーの違いが明確にわかる
- ITエンジニアの具体的な仕事内容とスキルが理解できる
- 将来性や年収の目安も把握できる
そもそも"エンジニア"の定義とは
テクノロジーの進化を支える技術者、それがエンジニアです。特にIT分野では専門知識を活かし、システムやソフトウェアの設計から開発まで幅広く担当します。
エンジニアが担う役割と特徴
役割 | 特徴 |
設計・開発 | 技術知識を用いて問題解決や新機能開発を行う |
提案・分析 | 顧客ニーズを理解し最適な技術的解決策を提案 |
運用・保守 | 構築したシステムの安定稼働を支援 |
技術研究 | 新技術の調査や導入検討を継続的に実施 |
エンジニアという言葉は本来、工学全般の専門家を指す広い概念です。機械系や電気電子系など様々な分野に存在しますが、デジタル社会の発展により、現在は特にIT業界で活躍する技術者を指すことが多くなっています。
👨💻 エンジニアの声
「私たちの仕事は形のないものを形にすること。顧客の困りごとを技術で解決し、目に見える成果として届けるのがやりがいです」
📌 覚えておきたい!
エンジニアは単なる「技術者」ではなく、「技術を使って問題を解決する人」という視点で捉えると理解しやすいでしょう。
ITエンジニアとは何をする人?
「エンジニアって何する人?」と聞かれたら、「技術を駆使して社会や企業の課題を解決する専門家」と答えられます。
パソコンに向かってコードを書くだけでなく、要件の把握から設計、実装、テスト、運用まで一連の流れに関わる点が特徴的です。
ITエンジニアは文系出身でも活躍できる職種です。もちろん専門知識は必要ですが、コミュニケーション能力や文章力なども重要なスキルとされています。
興味と学習意欲があれば、誰でもITエンジニアを目指すことができるのが魅力的な点でしょう。
また、経済産業省の調査によれば、2030年にはIT人材が最大79万人不足すると予測されており、将来性の高い職業と言えます。AIやIoT技術の普及により、今後もエンジニアの需要は高まる傾向にあります。
🔍 よくある質問
Q: プログラミングができないとエンジニアになれない?
A: 必ずしもそうではありません。プログラミング以外にも設計やマネジメント、コンサルティングなど様々な役割があります。
⚠️ 注意点
エンジニアになるには継続的な学習が欠かせません。技術の進化が速いIT業界では、常に新しい知識を吸収する姿勢が重要です。
システムエンジニアとプログラマーの相違点
システムエンジニアとプログラマー、一見似ているようで役割が大きく異なるこの二つの職種。
システムエンジニアは主に「上流工程」と呼ばれる要件定義や設計を担当し、プログラマーは「下流工程」のコーディングやテストを担います。
厚生労働省の調査では、平均年収にも約140万円の差があり、システムエンジニア569万円に対し、プログラマーは426万円となっています。
この差は業務範囲の広さや責任の重さを反映したものと言えるでしょう。
両者に求められるスキルセットも異なり、システムエンジニアにはコミュニケーション能力や管理力が重視される一方、プログラマーには高度なコーディング技術やデバッグ能力が求められます。
ただし、職場によって境界線は曖昧で、一人が両方の役割を担うケースも珍しくありません。
💡 ここで押さえておきたいポイント
- 上流工程(SE)と下流工程(プログラマー)の違い
- 年収差は約140万円(SE>プログラマー)
- 求められるスキルセットが異なる
- 実務では役割が重複するケースも多い
🔄 仕事の流れで見る違い
SEは「要件→設計→指示」、プログラマーは「コード作成→テスト→修正」という流れが基本となります。
システムエンジニアとプログラマーの違い
項目 | システムエンジニア | プログラマー |
主な業務範囲 | 上流工程(要件定義・設計など) | 下流工程(コーディング・テストなど) |
必要なスキル | コミュニケーション力、設計能力、マネジメント力 | プログラミング技術、デバッグ能力、論理的思考力 |
平均年収 | 約569万円 | 約426万円 |
主な役割 | システム全体の設計・管理 | 仕様書に基づいたプログラム開発 |
システムエンジニアはクライアントからの要望を聞き、「何を作るか」を決定します。一方でプログラマーは設計に基づいて「どう作るか」に焦点を当て、実際にコードを書きます。この役割の違いが年収差にも表れているのです。
👨💼 現役SEの声
「SEの仕事は、お客様が言葉にできない要望を引き出し、具体的な形にすることが醍醐味です。技術だけでなく、コミュニケーション力が問われます」
🖥️ プログラマーの視点
「コードを書くのは楽しいけれど、なぜこの機能が必要なのか背景を理解していると、より良いプログラムが書けます。SEとの連携が重要です」
システムエンジニア プログラマー 兼任は可能?
実務では、特に中小企業やベンチャー企業においてシステムエンジニアとプログラマーの兼任が見られます。
明確な区分がなく、要件定義から実装まで一人で担当するケースも多いでしょう。これには利点もあり、システム全体を理解した上でコードを書けるため、効率的な開発ができます。
また、両方のスキルを持つことでキャリアの選択肢も広がりますね。ただし、兼任するには幅広い技術知識とコミュニケーション能力の両方が求められるため、継続的な学習が欠かせません。
プロジェクト規模や企業文化によって役割分担は変わってくるので、自分に合った働き方を探してみましょう。
⚖️ 兼任のメリット・デメリット
メリット
- システム全体の理解が深まる
- 柔軟な対応力が身につく
- キャリアの選択肢が広がる
デメリット
- 業務範囲が広く負担が大きい
- 両方のスキルを磨く必要がある
- 専門性が分散する可能性も
📊 企業規模による違い
大企業では専門分化している傾向が強く、中小企業では一人で複数の役割を担うことが多いです。自分の適性に合った環境を選ぶことも大切です。
エンジニアの仕事がわかりやすくなる具体例
エンジニアの仕事を理解するには、実際の業務内容を知ることが一番です。エンジニアの多くは社内での開発作業や打ち合わせが中心となりますが、具体的にどんな1日を過ごしているのか気になりますよね。システム設計から始まり、プログラミング、テスト、会議、ドキュメント作成まで、さまざまな業務がバランスよく組み込まれた日常を送っています。タイプ別の業務フローを見ていくと、システムエンジニアとプログラマーでは少し異なる部分もあるようです。この章では、エンジニアの1日のスケジュールや業務内容を具体的に紹介し、どんな仕事をしているのかイメージしやすくなりますよ。転職を考えている方やこれからエンジニアを目指す方は、実際の業務の流れを知ることで、自分に合った職種を見つける参考になるでしょう。
1日の業務の流れ
システムエンジニアとプログラマー、それぞれの典型的な1日の流れは次のようになります。
システムエンジニアの1日(例)
時間帯 | 主な業務 | 特徴 |
8:30〜9:00 | 出社・メールチェック | 優先順位付けとタスク整理 |
9:00〜12:00 | 企画・発案・設計作業 | 要件定義や設計書作成、創造的作業 |
12:00〜13:00 | 昼休憩 | リフレッシュの時間 |
13:00〜15:00 | クライアントとの打ち合わせ | 進捗報告や要件確認 |
15:00〜17:00 | ドキュメント作成・技術研修 | 設計書作成や新技術習得 |
17:00〜19:00 | プロジェクト管理・調整 | 進捗確認とチーム調整 |
19:00〜 | 退社準備・帰宅 | 翌日の準備と振り返り |
プログラマーの1日(例)
時間帯 | 主な業務 | 特徴 |
8:30〜9:00 | 出社・環境セットアップ | メールチェックと開発環境準備 |
9:00〜12:00 | コーディング・開発作業 | 要件定義や設計書作成、創造的作業 |
12:00〜13:00 | 昼食・休憩 | 外食やリフレッシュの時間 |
13:00〜15:00 | デバッグ・テスト作業 | エラー修正と動作確認 |
15:00〜17:00 | 技術調査・問題解決 | 新技術習得や課題解決 |
17:00〜19:00 | コードレビュー・共有 | 成果の確認と情報共有 |
19:00〜 | 日報作成・退社 | 業務報告と振り返り |
💡ポイント
- システムエンジニアは企画や設計、顧客折衝に多くの時間を使います
- プログラマーはコーディングやテストなど技術作業に集中する時間が長いです
- どちらも新技術の習得を業務時間内に行うことが重要視されています
🧑💻エンジニアの声
「SEは顧客との調整や全体設計が多く、プログラマーは黙々とコードを書く時間が確保されています。どちらが向いているかは、自分のコミュニケーション志向と技術志向のバランスで決めるといいでしょう」
エンジニア 仕事内容 1日のイメージ
より具体的なイメージとして、それぞれの職種の1日の流れを見てみましょう。
システムエンジニアの1日(例)
🕘 9:00 出社・業務開始
メールチェックとタスク整理。チームメンバーや上司との簡単な打ち合わせで、今日の予定と優先順位を確認します。
🕙 9:30 要件定義・設計作業
新規プロジェクトの設計書を作成。クライアントの要望を具体的な機能に落とし込み、データベース設計や画面遷移図を作成します。
🕛 12:00 昼休憩
同僚とランチに出かけたり、時には一人で資料を確認しながら軽く食事をとることも。
🕐 13:00 クライアントとの定例会議
進捗報告や仕様変更の提案・調整を行います。クライアントからの質問に答え、プロジェクトの方向性を合わせていきます。
🕒 15:00 技術研修・新技術調査
最新技術のセミナーに参加したり、自己学習の時間に充てます。常に新しい知識をアップデートすることが求められます。
🕔 17:00 パートナー企業との打ち合わせ
協力会社との技術共有や連携について話し合い。プロジェクト全体の調整役としての役割を果たします。
🕗 20:00 業務終了・退社
その日の作業の振り返りと翌日の準備をして退社。納期が近い時期は残業も増えますが、計画的に進めれば定時退社も可能です。
プログラマーの1日
🕘 8:50 出社・準備
少し早めに出社してPCを立ち上げ、開発環境を整えます。メールや社内SNSで情報をチェック。
🕙 9:00 コーディング作業開始
設計書に基づいてプログラミングを行います。集中して作業を進め、わからないことがあれば同僚に質問しながら開発を進めます。
🕚 10:00 開発チームミーティング
プロジェクトの進捗共有や問題点の話し合い。チームでアイデアを出し合い、技術的な課題を解決します。
🕛 12:00 昼休憩
外食したり、社内カフェテリアで食事をとります。時には技術書を読んだり、趣味の話で気分転換することも。
🕐 13:00 デバッグ・テスト作業
午前中に書いたコードのテストを行い、バグを修正します。トライアンドエラーを繰り返しながら完成度を高めていきます。
🕓 15:00 小休憩・技術調査
一息ついて、開発に必要な新しい情報をネットで調査。同じ問題で悩んでいる人の解決策を参考にすることも多いです。
🕔 16:00 追加機能の実装
新機能の追加や改善作業に取り組みます。コードの最適化や拡張性を考慮した実装を心がけます。
🕖 18:00 コードレビュー・成果共有
その日書いたコードを見直し、必要に応じて同僚にレビューしてもらいます。社内システムに成果をアップロードし共有。
🕗 19:30 日報作成・退社
一日の作業内容と進捗をまとめて報告。翌日の作業計画を立てて退社します。
📝 メモ
これらはあくまで典型例です。企業規模や開発スタイル、プロジェクトのフェーズによって日々の業務内容は変わります。大企業では役割分担が明確な傾向がありますが、ベンチャーやスタートアップでは一人が複数の役割を担うことも少なくありません。
🔍 チェックポイント
納期間近はどちらの職種も残業が増える傾向がありますが、最近の働き方改革により、計画的な業務配分と効率化が進んでいます。プロジェクト管理ツールの活用や、アジャイル開発の導入などで、無理のない働き方を実現している企業も増えています。